2011年5月25日水曜日

23日、文科省への抗議行動に参加してきました


**以下、MSCRからの記事を転載します**

「年間被爆量20msv撤回」を求める福島県の父母たちが、バス2台をチャーターし、23日(月)文部科学省を訪れた。中心となったのは、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」メンバーの皆さん70名と、彼らを応援するために東京近郊から訪れた支援者の父母たち総勢650人。

小雨が降る中、抗議は文科省の屋外で約3時間にわたって行われ、子どもを抱えた父母たちは、声をからしながら「20msv撤回」を求めて訴えた。しかし、事前に面会を求めていた高木文明文部科学大臣や政務三役は最後まで現れることはなく、前回同様に対応にあたった渡辺氏(文科省科学技術・学術政策局)の煮え切らない応答が繰り返されるのみだった。





詳細はこちらの動画をご覧下さい。

20ミリシーベルト基準」撤回を〜福島の父母らが文科省に要請行動』



MSCRを代表して参加した私は、涙ながらに訴える福島のママさんに話を聞くことができた。



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1歳の娘を抱えるママさん/福島県郡山市在住)


 まわりのママ友たちは、「県の放射線リスクアドバイザーが“大丈夫”って言ったから安心しているんです。私が何度も「万が一のことがあるかもしれないから避難したほうがいいよ」と言っても、耳を貸そうとしてくれません。どうやったら分かってくれるのでしょうか……。私は幸い、今月末に家族と共に避難できることになりました。1歳になる一人娘がいます。本当は、もう一人子どもを産みたいと思っていたけれど、この震災であきらめました。だから、この子だけは元気に育ってほしいんです。何もなければ、「あのときは大騒ぎしたけど、良かったね」で済みます。でも、もし万が一、この子が病気になったりしたら……。私はこの子になんと詫びていいか分かりません。だから、何もかも捨てて避難することに決めたんです。周りのママ友からは、「あなたは避難できるからいいね」と言われました。みんな仕事があったり、ローンがあったりで離れられない。その気持ちも分かります。でも私は、それは言い訳だと思う。子どもの命がかかっているんですよ。何を犠牲にしても避難してほしい。私は避難してからも、福島に残っているママ友たちに避難を呼びかけ続けます。嫌がられても構いません」



(小学生の娘さんを抱えるママ/福島市在住)


4月の末に、娘とふたりで東京の親戚の元に避難してきました。でも、親戚からは理解されずに「福島はそんなに大変なの?」と白い目で見られる始末。もちろん、福島に残してきた夫や親戚たちも、「過剰反応しすぎ」だと思っています。もちろん福島には戻りたいけれど、このままではいつになるか分かりません。いったい、いつまでこんな状態が続くのでしょうか。私たちの生活を返してほしい……」



このママたちは、いずれも目に涙を浮かべながら話してくれたが、その表情には持って行き場のない怒りが表れていた。



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この日の抗議には、海外メディアの記者も取材に訪れていた。その中のひとり、新月通信のマイケル・ペン氏に「海外メディアではどのように報道されているか」と、うかがってみた。

「残念ながら、世界では日本の震災ニュースがあまりに報道されなくなってきています。原発事故や20msvの問題についても、一部の人間は深刻な問題として関心を寄せていますが、多くの人たちは『自分たちのところに放射性物質が飛んでくるのかどうか』といったことを気にしているにすぎない。だから私は、この問題を伝え続けたいと思っています」



また、アメリカの大学から研究に訪れた、という女子大生にも話を聞いた。

「私は大学で心理学を専攻しているので、なぜ日本人がこれほどの大惨事に見舞われても冷静でいられるのか、それを研究したくて来日しました。日本人は、とても素晴らしい精神性を持っていると思います。原発事故に関しては、まだ収束していないだけに、子どもたちのことが心配です」



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今回この抗議に参加して、「MSCRとしてできることは何か?」ということを改めて考えさせられました。「20msv撤回」を求め続けていくと共に、ともすると埋もれてしまいがちなママたちの声を国内外に伝え、少しでも自主避難の後押しができるよう、全国の人たちをつないでいきたいと思います。


文責:和田秀子

2011年5月19日木曜日

ドキュメンタリー作家・鎌仲ひとみ監督からのメッセージ

現在、ライター仲間たちと共に起ち上げている「Moms to Save Children from Radiation」 で、ドキュメンタリー作家・鎌仲ひとみ監督のインタビューをさせていただきました。

福島のママたちへのメッセージや、「年間被爆量20ミリシーベルト」についての危険性も指摘しておられます。

インタビュー記事+動画メッセージ




2011年5月14日土曜日

福島の子ども達のために力を貸してください ~被爆を軽減するために冷房を~

アナウンスが遅れましたが、「子どもたちを放射線から守りたい!」という全国のママや女性たちをつなぐサイトMoms to Save Childen from Radiation』 を有志が集まって起ち上げました。
このサイトのコメント欄に、福島県内で教師をしている方からメッセージが寄せられ、「是非多くの方に読んで頂きたい」と思い、ご本人に許可をとって公開させていただくことになりました。

******以下転載します******** 

福島市で教員をしています。福島市の今日の放射線は1、58μsv/hです。でも私の学校は窓を締め切ってさえいれば0、1μsv/hに抑えることができます。ところが、福島の子ども達が通う学校に冷房はありません。

 暑い夏、窓を締め切っていれば40度を超えます。私の願いは小さな子ども達が通う学校にだけでも冷房を入れ、外気を遮断した生活を与えてほしいのです。

 休みの日に教室の窓を開けて、しばらくすると放射線測定器の数値はみるみる上昇し、開ける前の10倍を超えます。暑い暑い夏、これから子ども達は、汚染された風とほこりの舞う中で、給食の準備をして、「いただきます」をくりかえしていくのです。

 少しの量の水でも、時間がたてばお風呂をいっぱいにするように、子ども達の体内被曝が蓄積されていくことだけは間違いないのです。

 私達の県は数え切れないほどの子どもの命を波にさらわれました。もう、ひとつの命も失いたくはないのです。

 大人は冷房のある仕事場で外気を遮断できます。でも、子ども達には何も与えられないのです。チェルノブイリと同じレベル7の最悪の評価を受けても、子ども達は頻発する余震に歯をくいしばりながら授業をがんばって受けています。

 レベル7の事態なら、せめて、子ども達に直接外気を吸い込まないで済むための設備を設置してあげたいのです。「学校にさえ行っていれば子どもは安心だ!」とお母さん方を喜ばせてあげたい・・・。

 原子力で働く方々の限界量年間20ミリシーベルトをもっとも影響の受けやすい幼児や児童生徒に強いるなら、せめてこの夏に、「涼しくて心配しないで吸い込める空気」を国はプレゼントしていただけないでしょうか?

 どんなにぼろなものでも、冷房の設備が整えば、原発の復旧作業がどんなに遅れても、学校の低い数値の中で確実な安全を約束できるのです。

 心ある行政の皆さん、なにとぞ私の願いをかなえてください。

 子どもを持つ多くのみなさん、福島の子ども達のために力を貸してください。

  • 山内圭介
  • 2011/05/07 4:03 PM

2011年5月13日金曜日

福島の子ども達のために力を貸してください ~被爆を軽減するために冷房を~

「放射線から子どもを守りたい!」というママや女性たちが集まって、Moms to Save Childen from Radiation』~つながろう全国のママたち~ というサイトを起ち上げました。

福島はもちろんのこと、全国のママたちから集めた声を随時アップし、国内外のメディアに伝えていきたいと思います。

先日、このサイトに、福島で教師をしていらっしゃる山内圭介さんからメッセージをいただきました。

この山内さんの「声」を、ぜひ皆さんに知っていただきたいので、ご本人の許可を得てご紹介させていただきます。

**********以下転載です***********

福島市で教員をしています。福島市の今日の放射線は1、58μsv/hです。でも私の学校は窓を締め切ってさえいれば0、1μsv/hに抑えることができます。ところが、福島の子ども達が通う学校に冷房はありません。


 暑い夏、窓を締め切っていれば40度を超えます。私の願いは小さな子ども達が通う学校にだけでも冷房を入れ、外気を遮断した生活を与えてほしいのです。

 休みの日に教室の窓を開けて、しばらくすると放射線測定器の数値はみるみる上昇し、開ける前の10倍を超えます。暑い暑い夏、これから子ども達は、汚染された風とほこりの舞う中で、給食の準備をして、「いただきます」をくりかえしていくのです。

 少しの量の水でも、時間がたてばお風呂をいっぱいにするように、子ども達の体内被曝が蓄積されていくことだけは間違いないのです。

 私達の県は数え切れないほどの子どもの命を波にさらわれました。もう、ひとつの命も失いたくはないのです。

 大人は冷房のある仕事場で外気を遮断できます。でも、子ども達には何も与えられないのです。チェルノブイリと同じレベル7の最悪の評価を受けても、子ども達は頻発する余震に歯をくいしばりながら授業をがんばって受けています。

 レベル7の事態なら、せめて、子ども達に直接外気を吸い込まないで済むための設備を設置してあげたいのです。「学校にさえ行っていれば子どもは安心だ!」とお母さん方を喜ばせてあげたい・・・。

 原子力で働く方々の限界量年間20ミリシーベルトをもっとも影響の受けやすい幼児や児童生徒に強いるなら、せめてこの夏に、「涼しくて心配しないで吸い込める空気」を国はプレゼントしていただけないでしょうか?

 どんなにぼろなものでも、冷房の設備が整えば、原発の復旧作業がどんなに遅れても、学校の低い数値の中で確実な安全を約束できるのです。

 心ある行政の皆さん、なにとぞ私の願いをかなえてください。

 子どもを持つ多くのみなさん、福島の子ども達のために力を貸してください。

· 山内圭介

· 2011/05/07 4:03 PM

2011年5月3日火曜日

年間20ミリシーベルトの被爆量が安全だと思っている専門家はいないのに、なぜ文科省で通達されているのか?

「放射能から子どもを守りたい!」と立ち上がった福島県の父母たちが5月2日、『20ミリシーベルト撤回要求のための対政府交渉』を行った。

通常であれば、年間被爆量は1ミリシーベルト以内とされているが、“非常時”ということで、文科省は年間被曝量は20ミリシーベルト以内」と決定した。
これを屋外活動に当てはめた場合、3.8マイクロシーベルト毎時以下であれば活動の制限がなく、それ以上の数値であれば、「1時間以内に制限する」ということになっている。

この数値は、原子力施設などで働く人々が、不要な被爆を避けるために法令で定められている「放射能管理区域」の基準(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍にあたる極めて高い数値だ。

いくら非常時とはいえ、人間の体が急に放射性物質に強くなるわけではない。あまりにも緩すぎる年間被曝量に、学校はもちろん父母は大きく困惑しているのだ。
郡山市などは、独自の判断で、校庭の土を除去する除染作業を始めているが、これに対して高木文部科学大臣は、「そんなことをする必要はない」などと発言し、物議を醸している。

■「放射線量を低減するためにあらゆる努力は必要だが、グランドの除線はする必要はない」と文科省

交渉に先立ち、社民党の福島みずほ議員は、次のように発言した。
「文科省が判断基準としているICRP国際放射線防護委員会)は、決して20ミリシーベルトが安全と言っているわけではない。どうしても、その土地を離れたくないという人が、自発的に残っていることを許容する限度が20ミリシーベルトだ。それは認めていただけますね?」

これに対して文科省の担当者は、20ミリシーベルトで良いとは思っていない。あくまで暫定的な数値であり、できるかぎり1ミリシーベルトに近づけるために、あらゆる方策をとらねばならない」と答えた。

しかし、現在、文科省が行っている“あらゆる方策”とは、「3.8マイクロシーベルト以上なら屋外活動を1時間以内にとどめる」ということだけ。

父母のひとりからは、「あらゆる方策をとって低減措置を行わねばならないならば、自治体が独自に除染作業を行うことに対して、ブレーキはかけるな!本来ならば、国が対処しなければならないことだ」と意見が出た。

これに対して文科省の答えは、さらにイライラさせるものだった。
「できることはした方がよいが、除染作業は、しなくても問題はないと認識している。ブレーキをかけるつもりはないが、実行可能かどうかが問題。除染作業をした後の土の処理が問題になるので、その点も含めて考える必要がある」

しかし、文科省担当者のこの発言には大きな矛盾がある。
「3.8マイクロシーベルト以下」が“安全”であるならば、なぜ除染した土の処理が問題になるのだろうか?

 あまりにも不可解な文科省の返答に、参加者たちは、「グラウンドの土は極めて低レベルの汚染のはずだ。なんなら、ダンプカーで文科省にお届けしますよ!」と怒りをぶちまけた。

■「20ミリシーベルトが安全だと言っている専門家はいない」と原子力安全委員

また、続く、原子力安全委員に対する質疑の場面では、「どのような根拠で年間20ミリシーベルトという基準を出したのか」との問いかけに対し、「原子力安全委員会としては、子どもに対して年間20ミリシーベルトを基準にするとは認めていない。可能なかぎり被爆の低減を求めることを絶対の条件としている。それは文科省にも伝えている」と明言。さらに、隣に座っていた文科相の担当者に対して、「文科省も20ミリシーベルトを基準とはしていませんよね?」と、確認するなど、思わず首をかしげそうになるような混乱が見られた。

さらに参加者からは、「現在、福島県の“健康アドバイザー”として講演を行っている長崎大学の山下教授は、『年間100ミリシーベルトまでなら大丈夫』と言っているが、これは安全委員会が言っていることと矛盾しているのではないか?」と質問が飛び出した。

原子力委員は、「それが事実ならば、しっかり対応させていただきたい」と発言。さらに、「20ミリシーベルト以内なら安全だと言っている日本の専門家はいないんですね」との市民の問いかけに、「原子力安全委員が把握している中では、子どもが年間20ミリシーベルト浴びることを許容した専門家はおりません」と明言した。

つまり、どの機関や専門家も、「年間20ミリシーベルトが安全」だとは思っていないにもかかわらず、数値だけが一人歩きしてしまっていることになる。

今回の政府交渉では、少なくとも「(1)年間被曝量20ミリシーベルトは安全ではない」「(2)放射線値を低減するための措置は必要」「(3)健康アドバイザーである長崎大学の山下教授らが言っていることは問題がある」ということが明らかにされたという点で、大きな進展だと言える。

こうした点を認めた以上は、政府には早急な措置を講じてもらいたい。

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『20ミリシーベルト撤回要求のための対政府交渉』様子は、下記よりご覧いただけますので、ご覧ください。



また、私は当日、交渉に参加してなかったので、細かな点は実際に参加されていたのレポート等も合わせてご参照ください。

福島老朽原発を考える会 (フクロウの会)


脱原発の日ブログ 

カリフォルニア・加州ラジオ草紙

2011年5月1日日曜日

罹災証明なし、避難区域外対象の親子・子供避難及び疎開、仮住まい情報



mixiコミュ「被曝から子供達を守る~繋ぐ命~」のメンバーの方々が、「罹災証明なし、避難区域外の方でも受け入れてくれる疎開先情報」をデータベース化してくださいました。

了解を得て、下記でダウンロードできるようにしましたので、ご活用ください。
また、上記のmixiコミュには、たくさんのママたちの声や、その他のお役立ち情報も掲載されています。

『罹災証明なし、避難区域外対象の親子・子供避難及び疎開、仮住まい情報』
下記よりダウンロードしてください。
http://www.mediafire.com/?pla70wixiysnbgc

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先日は、たくさんのアクセス、コメントありがとうございました。


今、最大の懸念事項となっている「福島の子どもたち」のことに関しては、政府、学校、教育委員会の方々の中にも、「子どもを守りたい」と心配し、動いている方は多くいらっしゃると思っています。

しかし、立場上できない、声が上げられない、従うしかない…という悪循環に陥っていると聞きます。
だから、声を上げられる立場の人が、ちょっとずつ行動することで「動きたくても動けない」内部の人たちを後押しできればいいな、と期待しています。

私自身は、原発の専門家でも福島県民でもありませんが、日本の国民ですし、今までさんざん電気を消費してきたので、責任の一端を感じていますし、そして何よりとても心配しています。だから、本当に微力ですが、自分ができることをやっていこうと思っています。

福島県の方々の中には、「原発事故」や「被爆」のことについて語るのすらタブー視する空気があると聞きます。でも、内心はみんな心配しているはず。逃げたいと思っている方も多いはずなのです。
決心さえすれば、受け入れてくれるところはたくさんあります。とりあえず、短期でもいいから、安心できるところへ避難するのもひとつの手段です。